塾長:サカクラ最近は毎週末、模試を受けているのではないでしょうか?
「模試はどれだけ受けたらいい?」「模試って何のために受けるのか?」
受験生からこのようなご質問がよく寄せられます。今回はこれらの疑問にお答えしていこうと思います。
こんなことで困っていませんか?
「模試って、そんなにたくさん受けないといけないの?」
高校生や保護者の方から、よくこんな質問をいただきます。模試は受験料もかかりますし、休日もつぶれます。それでも私たちは「模試はできるだけ多く受けてください」とお伝えしています。今回はその理由を、少し意外な「浪人生」の話から説明します。
浪人すれば成績は伸びる? ― 実は「あまり伸びない」のが普通
「1年浪人すれば、もう1年勉強できるから成績は大きく伸びるはず」。そう考える人は多いでしょう。しかし実際は、浪人しても成績が必ず伸びるとは限りません。むしろ、思ったほど伸びないのが普通です。
高校生向けの進路資料でも、浪人生は春の時点では高校3年間の学習を終えているため成績上位の人が多いものの、そこからの伸び幅は大きくなく、一方で現役生は入試本番まで成績が伸び続けると紹介されています。
また、大学の入試結果をもとにした整理によると、2024年度の早稲田大学では、浪人生の合格率が12.9%、現役生が17.7%でした。慶應義塾大学(浪人24.6%、現役29.0%)、明治大学(浪人23.2%、現役24.5%)でも、浪人生の合格率は現役生を上回っていません。
「1年あれば大きく変われる」という期待ほど、学力そのものは劇的には変わらないのです。


では、浪人生は何が違うのか? ― 「実践経験の量」
それでも浪人生が手ごわいと言われる理由があります。それは、学力の差ではなく「実践経験の差」です。
浪人生は、現役時代に受けた模試に加えて、浪人中の1年間でさらに多くの模試を受けています。そして何より大きいのは、共通テストの本番を一度経験しているということです。
本番の会場の空気、朝早くからの長い試験時間、休み時間の過ごし方、思わぬ難問が出たときの焦り、マークミスへの恐怖。こうした「本番の感覚」は、教科書や問題集では身につきません。浪人生はそれを一度体験しているため、2回目の本番で落ち着いて実力を出しやすくなります。
つまり、浪人生の強みは「知識の量」より「慣れ」なのです。逆に言えば、現役生が模試を多く受けて実践経験を積めば、浪人生の強みにかなり近づけるということです。
模試を受ける5つの意味
1. 本番の練習(実践経験)
模試は、本番と同じ時間配分、同じ形式で問題を解ける貴重な機会です。時間配分、解く順番、見直しのタイミングを試せるのは模試だけです。回数を重ねるほど、本番で「いつも通り」に動けるようになります。
2. 自分の現在地を知る
全国の受験生の中で、自分がどのあたりにいるのかを客観的に知ることができます。河合塾の全統模試シリーズは、年間のべ270万人以上が受験する規模の模試です。学校の定期テストだけでは分からない「全国での立ち位置」が分かります。
3. 弱点の発見
模試の成績表には、分野別の得点率が載っています。「数学の確率が弱い」「英語の長文で時間が足りない」など、自分では気づきにくい弱点が見えてきます。
4. 志望校までの距離を測る
合格可能性判定を見ることで、志望校まであとどのくらい必要かが分かります。判定に一喜一憂するのではなく、「次の模試までに何点上げるか」という具体的な目標を立てる材料にしましょう。
5. 緊張に慣れる
知らない会場、知らない受験生に囲まれた環境で試験を受けることそのものが、メンタルのトレーニングになります。
結局、模試は何回受ければいいの?
当塾がおすすめしている目安は次のとおりです。
| 学年 | 目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 高校1年生 | 年3〜4回 | 学校で受ける模試+共通テスト形式に1回は触れる |
| 高校2年生 | 年4〜6回 | 共通テスト形式の模試を定期的に。「同日体験受験」は特におすすめ |
| 高校3年生 | 年8〜12回 | 共通テスト模試をほぼ毎回+志望校別の記述模試・大学別模試 |
高校3年生は、各予備校が実施する共通テスト形式の模試(河合塾の全統共通テスト模試は年3回など)に加え、志望大学の形式に合わせた模試も受けましょう。
特におすすめなのが、高校2年生の1月に、実際の共通テストと同じ問題を同じ日に解く「同日体験受験」です。現役生でも「本番の問題を本番の日に解く」経験ができ、浪人生との差を縮める大きなチャンスになります。


模試は「受けっぱなし」では意味がない
ただし、回数だけ増やしても、受けっぱなしでは効果は半分以下です。大切なのは次の3つです。
- 当日中か翌日に自己採点と解き直しをする:記憶が新しいうちに、間違えた問題をもう一度解きましょう
- 間違いを分類する:「知識不足」「時間不足」「ケアレスミス」のどれかを分けると、次にやるべきことが見えます。また、解説を読んでわかるができるようになる気がしない問題があれば必ず頼れる先生に質問して解消しましょう。再現性が何よりも大切です。再現性がない問題であれば取れなくてもOKだと割り切ることもできます。
- 次の模試までの目標を決める:「次は英語で+10点」など、具体的な数字で目標を立てます
まとめ:模試の回数は「本番への慣れ」の回数
浪人しても成績は大きくは伸びにくい。それでも浪人生が強いのは、模試や本番を通じた実践経験が多いからです。だからこそ現役生は、模試を積極的に受けて「本番に強い自分」をつくっていきましょう。
当塾では、模試の結果をもとにした面談や復習の指導を行っています。模試の活用方法に悩んでいる方は、ぜひご相談ください。
参考文献
・神戸教育「浪人の成功率・合格率」(2024年度 各大学入試結果に基づく)
・塾選ジャーナル「全統共通テスト模試とは」(実施回数・受験者規模)
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